古紙を水に溶かした原料を、最適な濃度で抄紙機へ供給し続ける。それが原質の役割です。ここでのコントロールが出来上がりの品質に直結しますので、チェックと調成には非常に神経を使います。もちろん常に安定状態を保つことが大前提ですが、特に重要になるのは、問題が起こった際の対処。水温や古紙の質によっては濃度が不安定になることもありますので、そこで大きなロスにつながらないよう、各部署と連携を取って可能な限り迅速に対応することが求められます。

細かく神経を使う仕事だからこそ、一番怖いのは自分の判断や解釈で「できた」と思い込んで行動してしまうこと。それを防ぐには、上司や同僚とのコミュニケーションが不可欠です。少しでも疑問に感じたことは一つひとつ質問し、理解して、身につける。時間はかかっても、結局はそれが一番効率的な仕事と自身の成長につながるのだと、この仕事を通して実感しました。より良い製品づくりと、自分自身の成長のために、これからも知識と技術を深めていきたいですね。責任重大ですが、その分大きなやりがいもある仕事です。

抄紙課の様々な部門を担当してきましたが、今は乾燥工程に加え、上長と共に全体のマネジメントを担当しています。仕事をする上で特に気をつけているのは、まず何を置いても「安全第一」。巨大な回転物が多い抄紙機を扱うこの職場では、ちょっとした不注意やトラブルが大きな危険につながります。特に注意する必要があるのが、社員の疲労や焦り。大事故につながるヒューマンエラーを防ぐためにも、ライン全体で少しでも長く休憩を取り、余裕を持った作業ができるように努めています。

巨大な抄紙機の操作は、一人では決してできない作業。それぞれの担当者が連携を取り合い、お互いの効率と安全を考えて行動することが何よりも大切です。社員間のコミュニケーションが欠かせない職場だからこそ、日々皆と協力して製品を作りあげるやりがいもひとしおですね。今後も上司や同僚と協力し、後輩たちを支えながら、自身の能力向上はもちろん、誰もが楽しく安心して働いていける職場作りに邁進して参ります。

もともと私は農業系の学校に通っており、製紙はもちろん工業全般に関する知識・経験は全くありませんでした。今は完成前に汚れ・凹凸などを除去する抄紙機ウェットパートを一人で担当していますが、入社当時はとにかく分からないことだらけでしたね。毎日の実務の中で、少しずつ着実に仕事を身につけていくことができたのは、上司の丁寧なサポートに加えて、なんでも質問・相談しやすい工場内のフランクな雰囲気のおかげです。まだまだ支えられることも多いですが、抄紙課の一員として、生産性の向上に貢献できていると感じています。

「仕上げは、買ってくれたお客様の気持ちになって。」入社してすぐに上司から言われた言葉です。自分がその製品を買う立場だったらどう思うか。もう一度この会社の製品を買ってみようと思うか。常にそれを心がけて仕事に臨むことで、会社の一員としての自覚を持って働けるようになり、結果的に自分の成長につながったのではないかと思います。これからも初心を忘れず、様々な経験を積んで知識や技術を身につけていきたいと考えています。